雨ふり

俺、おやじさんに謝らなきゃいけない事があるんです。
ごめんなさい。
さっきは咄嗟に学生だと言ったけど、本当は社会人なんです。
            千光寺公園の東屋で知り合ったおやじさんは元長距離トラックのドライバー。千葉県は勿論、北海道以外の殆どの県を旅したそうです。
朝のランニング途中の休憩所に何処の誰か分からない旅人が泊まっていたらいい気はしないだろうに、笑って僕の話を聞いてくれてました。
今、学生かい?
咄嗟に聞かれて事情を話すのも大変だから、当たり障りなく、ハイと答えました。
でも、おやじさんと楽しく話すうちに怪訝に思われてもいいから、この人には自分の事ちゃんと話そう、話さなきゃと思いました。
自分の本当の歳、今の環境、旅をしながら本を売っていること、絵も描いていること、出来たら尾道でも店を出したいこと。
ニコニコ笑いながら僕の話を最後まで聞くとおやじさんは言いました。
よくもまぁ。他の若い人達が楽なほう楽なほうと行ってるというのに、よく自分で考えて始めたな。
今は上手く行かなくても、これがイイ経験になって、きっと上手くいくようになるから、失敗を恐れずにやってごらん。
おやじさんに別れを告げて駅へ向かう石段を降りていきました。
雨は若干勢いを弱めたもののぶ厚い雲が立ち込めていました。
合羽をつたって頬に流れてくる水滴。
涙だか雨だかわかんなくなっちゃいました。
降り止まない雨。
きっとこれからの旅でも何度も降られるんだろうな。
            おやじさん、やっぱり尾道で店を出してみるよ☆

13:15 | 店主 | その他   


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