シリーズ《旅商人の小商い考》「“接客七大用語” ③」「今って、モノ売れますか?」という問いに某大手ショッピングモールの担当者さんが出した答えは?

地元千葉の幕張で珍しく飲み会に参加させて貰いました。


関西で知り合った方とのご縁で幕張に本社がある某大手ショッピングモールの新店開発を担当されている部署の方との顔見せを兼ねたざっかけない集まり。

放浪書房はもちろんジンジャーエール。笑


お酒も程よく回ってきただろうところを見計らって、思いきって聞いてみました。
 


「今って、モノ売れてますか?」








だって、そんじょそこらの小売店じゃないよ。多分日本で一番の某大手ショッピングモールを全国で新規開拓している人達から、その辺のところ聞いてみたくない?


僕よりか少し年上であろうその人の口から出た答えにびっくりした。



「モノ、売れてません」










正直、ここまではそんなにびっくりしなかった。予想の範疇だから。ここからだ。







「私はかれこれ、200年は売り場に立てていません」







え?…と思った。自分の質問の裏にある本当の意図に彼女は気付いてたんです。 
隙を見つけて…あわよくばと隠しもっていた小さいナイフを取り上げられた思いでした。続きます。







「勿論、比喩です。笑 でも、そのくらい、売り場に立てていないんです。お客さんと接していない。私達は大きくなり過ぎてしまいました。」



「一番大事な、商品やサービスをお客さんに手渡す、その部分をパートやバイトの方に委ねてしまっているんです。」と。

(*あくまで、企業としてではなく、この方個人の見解です。)





一番になる過程で置き去りにしてきた部分こそ、一番であり続ける為に、もう一度見直さなきゃいけないと彼女は感じているのかもしれない。











やっぱり「この部分」にこそ小さな商いの生き残る道があるんだと確信が持てました。



モノが売れるという結果に至るまでは色んな要素があります。あれもこれもやっていくのに何故か、多くの小商人が「この部分」を見なかった事にして後回しにしてしまいがち。


本当にもったいない。

もったいないオバケが出ます。




オチになったかどうか…
それでは、良い商いを。

20:43 | 店主 | その他 | コメントを書く
シリーズ《旅商人の小商い考》「“接客七大用語” 全部言えると売り上げが下がる。モノが売れなくなる?②」

「接客七大用語 」は

良い物を売り場に並べれば、ほっといてもお客さんがいっぱい押し寄せて、次から次へと勝手に売れていく時代に生まれた「大量のお客さんを効率良くさばく、無難に対応する為のテクニック」(接客)の基本になる言葉。

■ぜーんぶ「受け身」の言葉。接客七大用語は「非積極的七大用語」

■「モノが売れない」今には時代遅れで売り手(サービスの担い手)に「モノが売れる」という勘違いをさせてしまう言葉。

さてさて

各地で商いさせて貰っていると、呼んでくれたお店が館(テナントとして入っている大きな店舗、商業施設等)に入っている場合が結構あります。

朝、各テナントから聴こえてくるあの「接客七大用語」に去年の終わり辺りから違和感を感じるようになりました。

接客、サービス、販売業に関わっていた自分にとっても当たり前に使っていた言葉達。

ずっと、引っかかっている違和感の正体に気付くきっかけは、これもまた接客用語でした。

「ご来店ありがとうございます!」

8番目の接客用語と言っても良いかもしれないこの言葉を耳にするたび、思うようになりました。

「そんなにお客さん少ないの?店に来てくれた事を感謝しなきゃいけないほど?」




「ディズニーランドやUSJみたく入場料取ってるんじゃないんだから、来てくれただけじゃ、お金にならないでしょ?売らなきゃ、買っくれなきゃ、僕らのお給料出ないでしょ?」

「商品買ってくれる、サービスを利用してくれるお客さんこそ感謝するべき、ありがとうと言うべき人じゃないの?」と。

こんな事を書くと「放浪書房さんよ!客商売やっていて、そりゃないだろ?そういうもんじゃないだろうよ?このご時世、店に足運んでくれるだけで有り難いんだから」と叱られても仕方ない。

はい、ごもっともだと思います。

Amazonや楽天で家に居ながらボタン一つで買い物出来るのに、わざわざ店に足を運んでくれた人に感謝の言葉を言いたい。

ということでしょうか。もちろんすごく良く分かります。




お客さんに店に来てもらう。モノを売ることの「スタート地点」に立つのさえも難しい時代。

「接客七大用語」が時代遅れだと書きました。

だとしたらこの8番目の言葉「ご来店ありがとうございます!」は今の時代にマッチした最先端のナウい言葉なのかも知れません。

でも、あえて言う!小売業の未来の為に。




て、おい!それじゃ駄目だろ?!







そこで終わらせちゃ駄目だろ!!




「いらっしゃいませ」「ご来店ありがとうございます!」(±0点)!




お客さんの目も見ず、無闇に連発する「ありがとうございます!」(-1点)!!




「(お買い上げ)ありがとうございます!」そう言えてはじめて、やっとこさ(+1点)でしょ!!




「お買い上げありがとうございます!」







そう大きな声で言えるよう、お客さんのアクション待ちの、無難な、当たり障り無い「接客」ではなく【 積極的七大用語】でお客さんに商品を売らなきゃいけない、買ってもらわなきゃいけない。





誰でもない。貴方自身が売らなきゃいけない。






そうじゃないと、お給料払え無いよ。お店潰れちゃうよ。

そんな当たり前を売り場に立つ人間、一人一人が理解しているんだろうか。

良い物を売り場に並べれば、ほっといてもお客さんがいっぱい押し寄せて、次から次へと勝手に売れていく。そんな時代はとっくの昔に終わりました。

今は「モノが売れない」時代なんです

正しくは「売ろうとしないと売れない」時代。




だからこそ、商人の技量と熱意が試されてる時代。



朝から元気に、大きな声で「接客七大用語」を唱和させるなとは言わない、確かに使うシーンもあるのだから。(内三つの用語は元気に大きな声で言う機会は少なそうですが…)

でも今の時代本当に教えなきゃいけないのは



「いらっしゃいませ!」「ご来店ありがとうございます!」から「お買い上げありがとうございます!」へ繋げる為の《途中経過》《道筋》=【積極的七大用語】があるという事!






そこを考えて、実践して、成果や効果を検証する。その繰り返しの中にこそ小商人(こあきんど)の飽きない(商い)面白さがあるという事をスタッフに教えなきゃいけない。

そして実際にやらせてみる。上の人間にとっては結構な勇気と、手間、フロア回しのテクニックが要ります。

でも、そうしないと、何年勤めてもスタッフは「プロの品出し」「プロのご案内」「プロのクレーム担当」にしかなれない。

そして、いつしかつまらなくて辞めてしまう

スタッフならまだしも、お客さんにつまらないと思われたら…

おお怖!

それにしても、店に来るだけで感謝されてしまうのであれば、お客さんも楽チンです。(僕なんかは何か買わなきゃ悪いなと思ってしまうタチなんで)

お客さんは胸を張って堂々と、話題の新刊を立ち読みして、土曜昼の情報番組で取り上げられたあの便利グッズを確かめに行って、流行りのコートを試着して、家に帰ってからAmazonや楽天で注文する。(店で買うより安いし、品切少ないし、すぐ届くし、ポイント貯まるし、接客の悪さにイライラすることも無い)



このまま行ったら僕らの店も、百貨店も、新刊書店も、メーカーの展示スペースになってしまいそうです。



てか、もう、そうなりかけているんです。

こんな話しがあります。




Q「お店で買い物するのを躊躇ってしまうのは何故ですか?」というアンケートの上位には



○「店に出向く暇が無い」

○「買わなきゃいけない (売りつけられる)と思ってしまう…」

○「接客がウザい」






がくるそうです。これだけ見ても店でモノ買うのってハードル高いんです。

でも、逆に言えば、そんな利便性や精神的なハードルを乗り越えて、店でしか買えなかった一昔前ではなく、ネット販売全盛の時代に、数ある店の中で貴方のお店を選んで貴重な時間や手間をかけて客さんはお店に来てくれているんです。(つまり、お店でモノ買うという行為のファン!)

これはチャンスです!でも、それと同時に「ネットよりも店に出向いて買う意味や価値はあるの?」とお客さんに常に試されていると僕は思っています。

だから、お客さんが何も買えずに店を離れる時、お客さんに対して情けない、申し訳ない気持ちになります。わざわざ足を運んでくれたのに、「気に入る商品に出会って、それを買って自分のものにする」という楽しみを提供出来なかったのだから。

これが続くと、お客さんは「お店での買い物に絶望してしまう」と僕は思っています。




させる訳にはいかない。






いつも、そう心に誓って商いしています。

ちなみに放浪書房も他の小商いも、足を止めて商品を見てくれたお客さんに、ありがとうと言う事はありません。

理由は、買ってくれたお客さんに特別な思いをしてもらいたい。特別扱いをしたいから。そして本当の感謝を伝えたいからです。

何も買えない(買えなかった)お客さんには笑顔で会釈はします。あと、向こうから「ありがとう」と言ってくれる人には最高の笑顔でありがとうと言うようにしています。

接客七大用語のありがとうとは質が違います。




さて、そろそろまとめです。(長いわ!!)




今回の記事、「“接客七大用語” 全部言えると売り上げが下がる。モノが売れなくなる?」というタイトル。もうお分かり頂けましたでしょうか?




あの七つの言葉の中には、実はお客さんにモノを買ってもらう、サービスを利用してもらう事に直接繋がる言葉は一つも無いんです。




それは、つまり「モノが売れなくなる」言葉とは言いませんが、「モノを売らなきゃ!お客さんに喜んでもらって、楽しんでもらって、店のファンになって貰わなきゃ!」と売り手が思わなくなっちゃう言葉。なのです。

しかも、あれって、「いらっしゃいませ」から「ありがとうございます」までの「店に来て、買ってくれる前提」のフルコースになってんだもん。

タチが悪い。

※接客七大用語、要らない、使うなって話しじゃないですから。あしからず。

さぁ、いよいよ次回最終回!!
放浪書房の「今って、モノ売れますか?」という無責任な問いに某大手ショッピングモールの担当者さんが出した答えは?!!

乞うご期待!!
焦らしてごめん!!

23:34 | 店主 | その他 | コメントを書く
シリーズ《旅商人の小商い考》「“接客七大用語” 全部言えると売上げが下がる。モノが売れなくなる?①」

・いらっしゃいませ    ・少々お待ちください

・かしこまりました     ・お待たせいたしました

・申し訳ありません     ・恐れ入ります

・ありがとうございます






接客七大用語









全部言えなくても、接客業に従事してなくても、言葉くらいは聞いたことある人も多いはず。

店や会社によって内容変わったり、7が8個に変わったりするみたいだけど、おおよそこんな感じだ。バイトだろうと正社員だろうと接客、サービス、販売業に就く人間は大抵これを覚えさせられてしまうのです。

これほど、時代遅れで売り手(サービスの担い手)に「勘違い」をさせてしまうものはないと僕は思っています。

どんな勘違いかって?「モノが売れる」という勘違い。




改めて接客七大用語を一つ一つ見ていくとよーく分かります。

・いらっしゃいませ→(お客さんがお店に来てくれちゃった)




・少々お待ちください(ませ)→(サービス、商品の提供を待たせちゃいそう、または待ってくれちゃった)




・かしこまりました→(お客さんからサービス、商品の依頼を受けちゃった)




・お待たせいたしました→(お客さんがだいぶ待ってくれちゃった)






・申し訳ありません(ございません)→(迷惑かけちゃった)






・恐れ入ります→(迷惑かけちゃいそうだな…)






・ありがとうございます→(買ってくれちゃった。やった!)







そう。これ、ぜーんぶ「受け身」の言葉なんです。
言い換えるなら接客7大用語は「非積極的7大用語」

では、接客七大用語はいつ生まれたんでしょうか。ここから先は(ここから先も)あくまで放浪書房の独断と偏見と推察なんだけど。

今を遡ること、一昔、いや二昔。

まだ日本が貧しくて、でも登り調子になりそうな気配するぞ!頑張るからね!という心意気が街に溢れていた頃。豊かさ=モノだった。今ほどモノが溢れてはいなく、情報も少なくて、コストコもアマゾンも無くて、手に入れる為のお金も皆んな持ってないそんな時代。

沢山の種類の商品が沢山並ぶ光景に人々は憧れて、百貨店、デパートがモノを買うという行為の頂点にあった。その頃誰かが考えたんだろうねきっと。

良い物を作れば、仕入れれば、売り場に並べれば、ほっといてもお客さんがいっぱい押し寄せて、次から次へと勝手に売れていく。そんな状況だから、現場で必要なのは

「大量のお客さんを効率良くさばく、無難に対応する為のテクニック」(接客)。だって積極的に売ろうとしなくても売れる。



効率よくさばく為には「お客さんを待たせない、怒らせない」のが重要。クレームは非効率に繋がるのだから。

結果は大成功!

良い商品を、沢山種類集めて、綺麗に並べれば、沢山お客さん来てくれてばかばか売れていく。そんな有難い(とも思わないくらい当たり前の)時代が何十年も続いたのでした。

そして、気付いたら終わっていた。

今、「モノが売れない」そうです。

先日、縁あって、誰でも知っている某大手ショッピングモールの経営や新規出店を担当されている部署の方とお話させて頂く機会がありました。

酒の席でもあるんで(僕は下戸だから飲めない)思いきって気になる事を聞いてみることに。




「今って、モノ売れてますか?」って。

その方の答えが、予想外の、自分の想像の斜め上いっていてマジびびりました。

さて、話戻します。笑
(大丈夫。上の答えは次回書きますからね。)

放浪書房が各地で開催させて貰っている小商いを飽きないで続けていく為のテクニック「稼ぎ方=売る為のテクニック」を教える塾?研究所《小商いラボ》では研究生の皆さんに

「接客七大用語なんて、覚えちゃ駄目ですよ!時代遅れで、意味無いから!」






「そんなの覚える暇あるなら、自分なりの“新接客(積極的)七大用語” 考えよう!」



と話しています。

「放浪書房何言ってんのさ!接客七大用語は接客の基本であり、究極よ!」って方はこの記事も忘れてください。

でも、「良いモノ作って、(仕入れて)ディスプレイにもこだわっているのに、何で売れないんだろう…」







そう感じている方にはもしかしたらヒントになるかもしれません。

接客七大用語を見直す事はヒント探しの第一歩であり、大商いでも、中商いでもない。小商いを飽きずに続けていく為の答えにも繋がっていきます。

なんで今回のお話まだ続きます。ご興味ある方はお付き合い下さい。

22:33 | 店主 | その他 | コメントを書く
大好きな時間なんだもん。お願いだから一人にしておくれ。

大好きな時間がある。



この時間の為に旅商いしていると言っても言い過ぎじゃないかもしれない。

この時間だけは誰にも邪魔されたくない。一人でじっくり味わいたい旅商いのハイライト。




それはいつも「後片付け」の「後」にやってくる。



最後のお客さんを見送り、屋台に取り付けたライトの明かりを一つ一つ順番に消していく。

場所を提供して下さったお店の方やイベント主催者の方に終わったことを伝えて片付けを始める。

商いのタネを仕舞い、備品を決まった手順で決まった場所に蔵う。

屋台をいつもの手順で解体する。次に備えて故障や不備を点検するのも忘れちゃいけない。

すっかり年季の入ったケースに屋台を入れてやる。

ここまではお手伝いしてもらう時もある。みんな良い人ばかりだから




とみーさん、車に積むのお手伝いしますから、何なりと言ってくださいね!!」

毎回そう言ってくださるので


「いやいや、ここまでして貰えたら、後は一人で大丈夫です!お手伝い頂こうにも後はテトリスのように隙間なく積んでくだけですから!」



毎回そう言うようにしている。
荷物を載せる前に必ず御礼をして、お別れをする。

戻られたのを確認して、近くの自販機で買ったドリンクを開ける。

ミルクの入った缶コーヒーの時もあれば炭酸の時もある。一口二口三口と飲む。これがもの凄く美味い。美味過ぎる。

ふーっと息を吐く。気持ちを商いモードから切り替える儀式。

必ず半分以上残しておく。煙草吸えたらこんな時は一服するんだろうな。さぁ、やるか。

放浪号のトランクを開けるとだだっ広い荷室が広がっていて毎度のことながら空っぽだとこんなに広いんだと少しびっくりする。



荷物を所定の場所に、決まった順番で入れていく。違う場所に置くとうまく収まらないだけでなく何だか気持ち悪くて仕方ない。
荷室の床は勿論、セカンドシートから向こうも見えない。後ろ見えなくて怖くない?と聞かれるけど、心の目でちゃんと見えている。

てのは嘘で最初から見えないんだから怖くなりようがない。サイドミラーとバックカメラもあるしね。

荷物が動かないくらいキチっと詰まれば完成だ。

バックドアを閉めずに満杯になった荷室を眺めながら、出会ったお客さんや売れていった商品を思い返したり、これから向かうまだ見ぬ商いの場所を想像しながら残りの缶コーヒーを飲み干す。

なんとも言えない充足感と、心地良い疲れ。少しの寂しさ、浮き足立つような感覚が楽しい。

この時間は誰にも邪魔されたくない。

この時間の為に放浪書房は旅をしています。商いをしています。だから皆さん、ほっといてください。見学もご遠慮ください。恥ずかしいから。(笑)

前に読んだテキ屋さんの本でも同じことを言ってた。この時間が一番好きだって。

諸先輩方に少しは近づけたろうか。

あ、旅から戻りました。ひと月ほど千葉に居ます。待たせてしまっている屋台のオーダー分製作したり、次の商いのネタ作ったり、屋台改造したり、11月からまたひと月程旅に出ます。

23:24 | 店主 | その他 | コメントを書く


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