本が売れないと言う勿かれ。《 売り上げが落ちている新刊書店に圧倒的に足りない3つの“T” 》問題編
山形 鶴岡 酒田からスタートして〜新庄〜舟形町〜山形〜置賜川西〜会津若松を回る2週間の旅商いから戻った翌日、千葉の実家近くの中規模の新刊書店に足を運んだ。


TSUTAYAのDVD、CD、コミックレンタル、文房具コーナーにUFOキャッチャーコーナーと大して広くない敷地に色々ぶっ込んだ今時の新刊書店ではあるけど、コミックコーナーが
結構充実してるのと夜遅くまでやってることと、駐車場が比較的広いので結構気に入っている。(こう書くと郊外型の普段使いの本屋の要項を全て満たしているのに気付く)


いつも通り、目当ての本がある訳じゃないがふらふらと店内を一巡してからコミックの新作コーナーへ。


一枚のポスターに目が止まった。



田村由美、新作出たんだ。前作「7SEEDS」とうってかわってのミステリーか。面白そう!買わなきゃ。

平台を見渡す。あれ?置いてない。

ちょっと古いんだろうか?同じ島の左右の平台も探してみる。無い。あれ?売り切れた?

レジ横の検索機で在庫を調べてみる。ある。3巻まで出ているらしい。図書館みたいに棚位置までは分からないんだ…(表示される店もある)

店員さんに聞こうと思ったがレジ待ちのお客さんが並んでいる。諦めよう。

とはならず。ポスターもう一回見て出版社とレーベル(って言うのか?)確認する。


小学館のフラワーコミック!ラジャー!!


天井の出版社ごとの売場サインと棚のレーベルごとのサインを探す





わーい!わーい!!あったあった!!買おーう!


じゃねーわ!!!

ちょっと待て!!!



誰も彼もが気になった本をこんなに執念深く店頭で見つけてくれると思うなよ。
推すなら推すで、もう少し分かりやすく置いてくれよ!売る気あんのか?!


と思う反面。「もしや…売る気無いと早とちりする勿かれ」かもと好意的に深読みもしてみる。以下は放浪書房の推理である。



店員 「店長、ミステリという勿かれ、俺、メチャ推したいんすけど、新刊コーナーの平台、スペース無いんす!!」


店長「バカヤロー!! (バシ!)新刊コーナーの平積みすりゃ良いってもんじゃないだろ!!作品のテーマ、コンセプトにあったイカした打ち出し方考えてみろや!!」


店員 「店長!サーセン!!俺が浅はかだったんです!!考えます!」

「ミステリと言う勿かれ…ど直球のように見えて、実はひねりのあるタイトルであるのは一巻読めばすぐわかる…でも推理小説好きのお客さんが食いつく可能性も高い…となるとやっぱり、文庫コーナーにも近いこの新刊コミックコーナーがベスト…」

「販促用のポスターはこの什器側面に貼れたとしても、肝心の商品がこんなに離れてちゃ…気になる!→これか!→面白そう!買おう!の誘導が成り立たない…くそ…どうしたらいいんだ…」

「待てよ…なにも、分かり易さだけが最良の売り場作りとは限らないじゃないか!お客さんに探してもらおう!限られた情報の中にあるヒントを元に、沢山ある商品の中からこの作品を見つけ出してもらう!!それこそミステリー…謎解きはディナーのあと…じゃなかった、買った後じゃなくて、本を買うところから始まるんだ!」

という経緯があったかどうかは分からないけど。


ちなみに最新3巻出たのはこの日の3日前。本来なら新刊コーナーに平積みされてもおかしくない。てかして欲しい。販促ポスターも棚の上部から吊るされていたPOPも目立っていたし、推してるのがハッキリ分かる。


だとしたら、この店、本当にそういう意図を持った商品陳列なのか?だとしたらマジ、半端ねぇ…



でも、これが放浪書房の推理と真逆の「販促物でポスターきたからとりあえず貼ったけど、肝心の商品はあっちの棚に置いちゃったテヘペロ」なただただ誘導がなってない店だったら、そりゃ恐ろしい。


放浪書房も最初は「こんなちぐはぐな事してるからお客さんが離れちゃうんだろ。それを棚に上げて、本を読んでくれなくなった、本が売れないと嘆いてる場合じゃないだろ!」とプンスカした。

でも買った本を読んでみて、あまりにも不自然な陳列方法を思い返してみて「これはもしや…」となった訳だ。
店の人に聞いた訳じゃないから真偽のほどは不明なんだけど、身近にある本屋がそんな面白いことしてくれたら嬉しいなとの想いを込めて、この記事を書くことにした。


去年一年、本業の放浪書房以外の小商いで各地を旅商いしてきた。路上ではなく旬のモノ、最新のモノを広く深く取り扱う全国チェーンの大型店の店頭で商いさせてもらうことで、ある意味、店舗販売型の小売業の最前線と、売り手、作り手、買い手の三方の今を見ることが出来た。


買い手が物や知識、情報を手に入れることにこれだけ短気になってしまってる時代は無いと思う。

探してすぐ見つからなかったら、スマホで検索。速攻Amazonでポチれるし電子書籍版ですぐ読める。

便利で快適で質の良いサービス、商品を安価(あんぽんたん価格。誰も幸せになれない常識外れな値段のこと。)に提供されて当然と思っている。

メディアで紹介された商品が店頭に並んでない(皆んな買うんだから当たり前)=品揃えが悪い店

気に食わなかったら、声を大にして売り手や作り手の非を訴えてやれと考え違いをしている人(もいる)
そんなおっそろしい時代だ。

(この記事だって、ある意味そうとられても仕方ないのでだけど)


売り場が分かりにくい、店員に聞いても場所が分からかった=教育がなっってないと、とある大手雑貨チェーン店の銀座店で裕福そうな若いマダムがスタッフを口汚く罵っていた(実話)


偉そうにお客さんをディスりやがって!と怒らないで欲しい。
放浪書房だって、屋台を車に仕舞ってエプロンを脱いだら「その道40年のプロのお客さん」なんだから。お客さんの心情は手に取るように分かるし、自分もそうやって甘やかされたお客の一人だ。(そうなった原因にはネット販売の普及と商店街の衰退があると思ってるんだけど、それはまた別の機会に)

さて、本屋も小売店も対面で物を売る、サービスを提供する側は大変だと思う。これまでのやり方じゃ大商いはもちろん、中商いだって成り立たなくなっている。



でも、こんな時代だからこそ、小商いは(小商い的発想とスタイルを持つ商売)はチャンスだと思う。(正直言えば、強がりだ。そう思うようにしている笑)


利便性や快適さ、スピード、品揃え、価格。その部分で勝負しようとしたら電子書籍にもAmazonにも敵うわけがない。負ける戦い方はしちゃいけない。


上に書いたお客さんのニーズとは真逆のところに小さく楽しく飽きないでやっていくチャンスが転がっていると思う。
大勝ちは無いけど、小さく軽やかに判定勝ちを狙っていけたらいい。


そんな戦い方にグッときて応してくれるお客さんも“今ならまだまだ沢山”いる。


でも、その層に食い込んでいく為には最低限必要な要素があると思う。今回の旅で確信した。


《 売り上げが落ちている新刊書店に圧倒的に足りない3つの“T” 》


これ本屋だけじゃないんだけど、本屋が一番顕著に足りてない。マルシェ系のイベント出店してでも売り上げ伸びない人にも当てはまる要因だと思う。


ヒント①「一つは日本語。二つは英語」

ヒント② 以下の写真をご覧ください。








答え合わせは近日中に。放浪書房とみーでした。











0:10 | 店主 | その他   

2006年4 5 6 7 8 9 10 11 12
2007年1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12
2008年1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12
2009年1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12
2010年1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 12
2011年1 2 3 7 8 9 10 12
2012年1 2 3 4 5 7 8 11 12
2013年1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11
2014年1 2 3 4 5 6 7 8 11
2015年1 3 4 6 7 8 9 10 12
2016年1 2 3 4 6 7 8 9 10 11
2017年1 2 4 5 6 7 10 12
2018年1 2 3 4 6 10

2024年4月] 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30

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