2011年〜2018年版!放浪書房が選ぶベスト観光スポット!!堂々の一位は“ ◯◯神社 (山形県 朝日町 )”に決定!!
「え?○○神社行きたいんか?何もないぞ!そんなとこより棚田行け棚田!あと、浮島もあるぞ!」



集落を見下ろす高台にある温泉でりんごに浸かりながらひとっ風呂浴びている時、一緒になった地元のおっちゃんには、全力で時間の無駄だと言われてしまった。

ふふふ、こりゃ絶対行かなきゃ。

僕はひねくれもんだから、こんな風に言われると俄然興味が湧いてくる。

その名も 空気神社

神社仏閣は変わった読み方する場所もあるので「からけ」とか「そらき」とか読むのかとも思ったが、やっぱり空気らしい。

空気イス、エアギター。偶像的な目に見える形では何も祀ってないんではないか。ん?待てよ。そういう意味じゃ、神様も仏さんも目には見えない。(視える人もいるらしい)本質的な部分で間違ってない?

行く前から色々考えてしまうが、行きゃあ分かるだろう。

ちなみに、同じ朝日町の中には「おっぱい神社」もあるらしい。そちらは股の機会に。違った、またの機会に。

そもそも、何故に山形県朝日町

山形県の中央部に大朝日岳を望む山あいの町で人口は7000人程、主な産業は農業でりんごが有名らしい。後、ワイン?も有名みたい(ウィキペディア調べ)


りんごの町らしく、おっちゃんと出会った温泉の名前はりんご温泉。ゆず湯ならぬ林檎がプカプカ浮かぶりんご湯。


道の駅にもりんご使ったメニューがあり


無人販売のりんごクオリティと言ったらムムムと唸るほど


(試食用のりんごまで。これも山形特有の振る舞い文化か?)

放浪書房的に気になったのが、日本の「エコミュージアム構想」※の先駆けであるということ。広島でまちづくりに携わる友人へのいい土産話になるだろうし、運良く新潟、山形の旅商いツアーが入って近くまで行くし寄ってみようと軽い気持ちでの来訪だった訳です。

※【エコロジー(生態学)とミュージアム(博物館)とをつなぎ合わせた造語で、ある一定の地域において、住民の参加によって、その地域で受け継がれてきた自然や文化、生活様式を含めた環境を、総体として永続的な(持続可能な)方法で研究・保存・展示・活用していくという考え方、またその実践である。=早い話が“町まるごと博物館にしちゃうもんね!”な取り組み

次の日、妙にトイレが立派な道の駅で目覚め、パンとコーヒーで軽く朝飯を済ませ、空気神社に向かう。


空気神社は集落から少し離れた高台にあるらしい。天気も良く、樹々の緑も美しい。気持ち良いので窓を開けて走る。ただ結構な登り坂で荷物満載の放浪号はヒーコラ言ってる。

神社の周辺はブナの林に囲まれたリゾートホテルやキャンプ場もある。

青地に白抜きの空気神社の幟が立つ駐車場に放浪号を停める。この林の中に空気神社があるんだろうか。



誰かが置いてくれた、杖。杖なきゃいけないくらいの道?と身構えてしまったが道は整備され歩き易い。足元、ヒールはきついけどスニーカーなら問題なし。森林浴を楽しみながらの緩やかな上り坂。ああ、マイナスイオンが沁みるぜ〜


しばらく歩くと、なにやら石と丸太で作られた大きなオブジェらしきものが…何だか良くわからん現代アートの残骸か…

ん?よく見たら足元に木札が。「木」?


中央の丸太がクルクル回るようになってる。

なんだろうこれ?


しばらく歩くと、また同じ形の謎のオブジェが現れる。中央は丸太ではなく円柱に組んだ鉄筋。よく見ると3箇所が燭台になっている。蝋燭が灯されるらしい。

足元には「火」の木札。

さっきのオブジェと同様、こちらも鉄筋部分がクルクル回る。

謎だ。


3つ目は「土」。中央の柱は土の固まりではなく茶色く塗った鉄の円筒型の支柱。

これもクルクル回る。

木→火→土…そして、「金」来たコレ!!中国人好きそう!


もう分かった!

木、火、土、金…



これは※五行思想に基づく、森羅万象全てを構成する五大要素(エレメント)!を顕している!

※《古代中国に端を発する自然哲学の思想。万物はの5種類の元素からなるという説》

しかもだ!中央の円筒部を廻すこの仕組みが意味するのは、チベット仏教でもお馴染みの※マニ車を模しているではないか!!



※《(摩尼車)主にチベット仏教で用いられる仏具である。転経器(てんきょうき)とも訳す。回転させた数だけを唱えるのと同じ功徳があるとされている。》

参拝者は何気なくクルクル回すことによって自分を包み育んでくれる自然やこの世界への感謝を表せるのだ。

という事は最後にくるのは…「水」!!



中央の円筒が途中で切れて、上から滴り落ちる水が窪みに溜まり、柄杓が二つ…

なんと!手水舎(ちょうずしゃ)になってるじゃないの!!なにこれチョー上手!!





手と口を清め、本殿へと向かう。

おっと、その前に、皆さん、目を凝らして見て欲しい。


え?何も見えないって?

いや、もう一度、心の目で見て欲しい。

ほーら、見えて来たよコレ。




エア鳥居。



くぐって奥へ進みましょう。





ブナ林の中にぽっかり空いた空間には木漏れ日がさしている。

樹々の合間から吹き抜ける風が気持ち良い。

風で葉のすれる音、枝が揺れて軋む音、鳥の声くらいしか聞こえない静かな場所。もちろん、建物は無くて、素材はステンレスだろうか?鏡面に仕上げられた舞台のようなものがあるだけ。


これが凄く素敵だった。

一般の神社を参拝する時にそうするように、空気神社では自然界や世界を作る様々なモノへの感謝と畏敬の念にこうべを垂れると、そこにも今、自分を包みこんでくれているこの土地の自然と空が映りこんでいて、目には見えないけど、確かにそこにある生き物に欠かす事のできない空気の存在と有り難みを改めて感じる事が出来るのだ。





見えぬけれどもあるんだよ



見えぬものでもあるんだよ

空気神社行く時は、金子みすゞの詩集持っていくのオススメです。(お!本屋っぽい)





それにしてもこの空間の雰囲気。僕は前にも味わったことがある。20代の頃野宿しながら3ヶ月程旅した沖縄 八重山の離島のあちこちで訪れた「御嶽」(うたき)に良く似ていると思った。いや、御嶽そのものなのだ。

そこは島の人々にとっての信仰、祭祀の場所。神の伝説が残っていたり、神が来訪する場所とされ、社は無く、その空間、土地自体(川や、泉、岩、ユタ(巫女)の墓の場合も)が神として祀られていているのだ。林の中にぽっかり空いた空間が御嶽というパターンを何度も見た。(知らずに入って怖い思いもした)

どの場所にも共通して神聖な、汚してはいけない雰囲気が漂っていた。ここ空気神社も。

これってなんだろう。

鶏が先か卵が先かじゃないが、神聖な場所だから、祈りや敬いの対象になるのと同じように、沢山の人の祈りや畏敬の思いが集まる場所は空気が浄化され、空間自体が清浄な場所、聖域に変わって行くのかもしれない。

そう思わずにはいられない場所だった。



これでそれっぽい社が建ってたりしたら、面白くもなんとも無い。(賽銭箱と説明看板はあるけど)

無いから良い。見えないからこそ、感じようとする。信じて敬おうとする。信心の本質が空気神社にはあると思う。

どの神社より、ある意味本物だと思う。

空気神社のこと、誕生の由来、誰がこんな素晴らしい場所作ろうと思ったか。舞台の下に何があるか、知りたい方はこちらも読んでみてね。



http://asahi-ecom.jp/?p=log&l=179962

http://www.shizenkan.jp/air_shrine.html


ちなみに駐車場には空気清浄機でお馴染みの「ダイキン」の看板が。さすが、綺麗な空気と言ったらここだもんね!

分かってんじゃん、ダイキン!!

年に一度、空気祭りが開催されるそうだが、9年に一度(九期)開催される幻の祭り《空気大祭》はかなりファンキーだ。

「空気椅子日本選手権」、「エアギター&エアボーカル(口パク)選手権」、嘘か誠か世界中の名物料理、高級料理を食べた気になれる「エアレストラン」、賢い人にしか見えない世界一刺激的な「エアファッションショー」、ダイキンによる空気清浄機、エアコンのアウトレット販売、エアガンの世界的メーカー「東京マルイ」による電動エアガンの射的コーナー、エアジョーダンで有名なナイキスニーカーのアウトレット販売等、ぶっ飛んだ内容らしい。

本当なら一度行ってみたい。

空気神社の予想外の素晴らしさに感動しながらの帰り道。

山形の友人から電話かかってきたので、放浪号を河川敷に駐めて外で話していて、ふと周りの風景に目をやってはっとした。


朝日町のこの豊かな自然と里山の風景。澄んだ空気、この景色の全てが、空気神社まで続く参道だったんだと。

それに気付いて、鳥肌立つほど感動してしまった。朝日町に来て本当に良かった。

こんな素敵な神社他には無いと思う。だって

見えぬけれどもあるんだよ



見えぬものでもあるんだよ

都会での生活に疲れたら、流行りに乗って田舎暮らしに、地方移住に憧れたら、一度、行ってみてほしい。

※あ、空気大祭は放浪書房の妄想です。空気祭りは本当。
0:19 | 店主 | その他   


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