強風が運んでくれたハンバーガー(月刊放浪書房 )

日曜日。
雲一つない快晴ではありますが、
台風並の強風に悩まされました。
せっかく用意した「野宿野郎って何!?紹介ボード+編集長直筆の書」はバキリ★とへし折れ、
ヴィンテージキーホルダーのラックは二回倒れ、路上にぶちまけてしまい、
勿論、本も風でバタバタ、ヒュンヒュン。
几帳面(神経質?)なキング藤本はその度に手直したり、取れた値段貼り直したりと始終忙しそう。
2時頃でしょうか、
住宅街の方から杖をついた老齢のご婦人が現れました。
春色のコートに、明るいオレンジのスカーフを巻いてヒュン☆としたサングラス。
気の強そうな、40年前は「〇〇小町」なんて呼ばれてたのかもと思わせる、おばあちゃん。
人通りも増えてきてたので、店頭に出したラックやテーブル、お客様が歩く邪魔にならないといいけど、
心配してたら、僕の前で立ち止まりました。
「車の付いたカートは売ってないの?風が強くってなかなか前に進めないの」
「よく、年寄りが押してるでしょ?」
ありゃ、若干キレ気味のおかあさん…
「おかあさん、ごめんね。ここ洋服屋さんだから多分置いてないと思うよ。新京成の駅の隣にイオンがあるから、あそこなら売ってるかもしんないよ」
「風が強いから前に進めないのよ。曲がり角で急に強い風吹くと倒れそうになるのよ」
「わかったよ!おかあさん、駅まで行くんだよね?駅前のマクドナルドに昼飯買いに行くついでだから、そこまで一緒に行くよ」
「そうかい悪いわね☆」
キング藤本に店番と膨らませ途中のスナフキンをお願いして。
おかあさんの手荷物を持ってあげて、杖と反対側に立つと、”ちょっと失礼”と腕を組まれました。
久しぶりに女性と腕を組んで街を歩きました。
半ば強引ではありますが(笑)
椎間板ヘルニアを患っているというおかあさんの歩幅に合わせて、ゆっくりゆっくり歩きます。
路上駐輪、街の立て看板、角から飛び出してくる車、ちょっとした段差。
僕等にとっては何て事ないものでもお年寄りにとっては一大事なんだな。
歩くスピードが変わると、いつも見落としてきたものが見えてきます。
「貴方は何を”勉強”しているの?」
突然聞かれて戸惑ってしまいました。
学生に見えたのかな?
「今日はあのお店の前で本を売っているけど、普段は都内の学校で広告や看板やPOPの勉強をしているよ」
「そうなの☆それはいいわね」
初めて、おかあさんが笑ってくれました。
別れ際、
「マクドナルドでコーヒーでも飲みなさい」
そういって僕の手に小銭を握らせました。
そんなつもりじゃないと彼女に返そうとすると
「人の好意は素直に受けとらなきゃ駄目よ★」
「ありがとう☆じゃあ遠慮なくごちそうになります」
おかあさんは満足そうに笑ってました。
気をつけて、いい一日を。
ハンバーガーを二つと、コンビニで大好きな「ブラック・サンダー」を7つ買って帰り、キングやお客さんや店の皆と分けて食べました。
”風が吹けば桶屋が儲かる”
らしいけど、
”旅する本屋は昼食にありつける”
みたいです。
SBSH0196.JPG

20:08 | 店主 | ガレージセール   


_▲_