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2011.9.30
本って、なんですか。
“「読書というのは本当に必要なんでしょうか」
祖父は字も読めずにおりましたが、苦しむことなく、人様に迷惑をかけることもなく、穏やかな最期を迎えました。
また、優しく思いやりのある人が聖書しか読んだことがないと云われたことも印象的でした。”
これは、ある方から放浪書房が頂いた手紙です。
お会いした事は勿論、メールのやりとりを一度しただけ。
どこの馬の骨とも分からない、旅する本屋の企画に興味を持って下さり、ご自分の大切な本を送って下さいました。
その本と共に同封されていた手紙。その問いに答えられず、また、企画のスタートもなかなか切れぬまま、2ヶ月が経とうとしています。
「海外は旅しないんですか?」
「これで食べて行けるんですか?」
なんて質問はこの5年間で何度されたか(笑)
でも、
「読書というのは本当に必要なんでしょうか」
その質問の前に、スフィンクスの謎かけの前のオイディプス王のように即答出来ず、時間が経ってしまいました。
Aさん、ごめんなさい。
そして、お待たせ致しました。
「本は人生のおやつです!!」(笑)
大阪中崎町にある放浪書房のお友達、小さな小さな本屋さんの屋号。
僕は、全てがそこに込められていると思うんです。
「ごはん」は無くてはならないんです。生きていくには必要不可欠。人間がどんなに高尚に偉そうな事言っていても“食べる”事に始まり、終わると僕は思っています。
でも、「おやつ」は違います。
別に食べなくても、へいちゃら。
いや、むしろ、間食ってやつですから食べ過ぎるとブーちゃんになっちゃうし、ごはんに比べて、コストパフォーマンスは悪いし、あれでお腹いっぱいになっちゃうと肝心のごはんが食べられないで、お母さんに叱られます。
ごめんなさい。別にふざけてる訳じゃないんです。
僕が言いたいのはこういう事。
本、別になくたって、読書しなくても、生きていけるんです。
本を読まなきゃ立派?な人になれない。そんな訳がないんです。
それに、本って高いでしょ?古本ならいざ知らず、新刊のハードカバーなんて2000円近くする。
放浪書房の旅の食費(キャンプ、野宿編)だと3日分相当!
ひーー!!
無くたって死にはしない。
でもね、本がある。好きな本がある。本と向き合える時間がある。本に向き合いたいと思える自分でいる。それって、どれだけ贅沢な事なんでしょうか。
「おやつ」だからね!
学校から帰ってきて、
「お腹すいた〜!何かない?」
「戸棚におやつ入ってるわよ☆」と、
「夕飯まで、我慢しぃや!」(何故、関西弁?)
では幸せ度が違います!
遠足でも、おやつの準備が楽しさのクライマックスとちびまる子ちゃんでも言っています!!
いかんいかん、また脱線してしまった、、、
Aさん、僕自身は怪しい限りの本屋ですが、周りには書店にお勤めの方、古書店を経営されてる方、編集や製本に関わっている方、ただただひたすらに本を愛している方。沢山の本の側に寄り添う方々とお会いして、お話をして、一緒にイベントをしたりします。
出版不況や、本が売れないとか世間は当たり前のように僕らの業界を「斜陽産業」のように言われたりもしますし、事実、皆結構弱音も吐きます(笑)
でも、なんかね、皆、眼が死んでないんです!(笑)
死を目前にした石田三成が柿は痰の毒と言ったように!(笑)
今にみとけ、、、本の底力なめんなぁ、、、的な(笑)
ああ、また脱線したぞ、、、
Aさんの手紙は、こうも続きます。
“教育という意味で世間一般に読書を促進している傾向はありますので、わたしも海外駐在中に、幼稚園にて読書指導をしていたこともあります。
そのおりに閉口したことは、「子ども達にいい本のリストアップをしてほしい」と幼稚園の先生から、果ては園児の保護者からも云われたことでした。
本というのはそういうふうに選ぶものなんでしょうか?
一冊一冊違うのでは?
出会いが大切なのでは?
そして、そういう人に限って、本を読んでいない。
渋々リストは作成しましたが「必ず渡そうと思った本をお読みになってから子どもに渡して下さいね」とつけ加えられずにはいられませんでした。
せめて自分が感動した本を渡してほしい。
本好きのエゴだと充分に承知しておりますが云わずにはいられなかった。
書いていても時々思うことがあります。
創作とは、本とは言葉とはなんなのだろうかと”
本って何だろう?
僕もしょっちゅう考える。
本が一冊も売れなかったり、知らない街を雨の80キロの本が満載したカートをトボトボ押してる時とか。
重いし、嵩張るし、高いし、目で文字を追わなきゃいけない。
水にも弱いし、お日様にも!(お前の店だけだ!)ハードル高いよな、、、
情報や知識ならネットやTVからいくらでも無料で、手に入るし、場所も取らない。画像や音声データなら「ながら」にして頭に入るし。
と、書いた所で、その反対が全部本の魅力なんだなって気がつくんです。
本は、情報であり、思想や、書き手の人生や思いであり、それでいて、モノとしての存在感と、歴史や風格さえある。
ハードルを乗り越えても、本と向き合い、何かを得ようとする意思と、時間。
うん!なんか、イイですよ。
本って。
そして、読書って。
Aさん、あなたは本に真摯に向き合い愛してこられた人なんでしょうね。
そして、本を取り巻く環境に失望しながらも、信じて希望を見出したいと思っている。
Aさん、そして本を提供して下さった皆さん。
どうか、
「旅する本屋 放浪書房」にあまり期待はしないで下さい。
本を取り巻く環境を放浪書房が変えるなんてとてもじゃないけど無理。でも、何かをして行かなきゃいけない。して行きたい。
無理のない範囲で、楽しく。自由に。
だから、信じて下さい。
そして、見ていて下さい。
「お、ちょっと面白そうだぞ!」と思ったら、力を貸して下さい。
今週末、皆さんから預かった「一生の一冊」と共に
福島県須賀川に行ってきます。
どんな旅になるか、
どんな出会いが待ってるか楽しみ!
祖父は字も読めずにおりましたが、苦しむことなく、人様に迷惑をかけることもなく、穏やかな最期を迎えました。
また、優しく思いやりのある人が聖書しか読んだことがないと云われたことも印象的でした。”
これは、ある方から放浪書房が頂いた手紙です。
お会いした事は勿論、メールのやりとりを一度しただけ。
どこの馬の骨とも分からない、旅する本屋の企画に興味を持って下さり、ご自分の大切な本を送って下さいました。
その本と共に同封されていた手紙。その問いに答えられず、また、企画のスタートもなかなか切れぬまま、2ヶ月が経とうとしています。
「海外は旅しないんですか?」
「これで食べて行けるんですか?」
なんて質問はこの5年間で何度されたか(笑)
でも、
「読書というのは本当に必要なんでしょうか」
その質問の前に、スフィンクスの謎かけの前のオイディプス王のように即答出来ず、時間が経ってしまいました。
Aさん、ごめんなさい。
そして、お待たせ致しました。
「本は人生のおやつです!!」(笑)
大阪中崎町にある放浪書房のお友達、小さな小さな本屋さんの屋号。
僕は、全てがそこに込められていると思うんです。
「ごはん」は無くてはならないんです。生きていくには必要不可欠。人間がどんなに高尚に偉そうな事言っていても“食べる”事に始まり、終わると僕は思っています。
でも、「おやつ」は違います。
別に食べなくても、へいちゃら。
いや、むしろ、間食ってやつですから食べ過ぎるとブーちゃんになっちゃうし、ごはんに比べて、コストパフォーマンスは悪いし、あれでお腹いっぱいになっちゃうと肝心のごはんが食べられないで、お母さんに叱られます。
ごめんなさい。別にふざけてる訳じゃないんです。
僕が言いたいのはこういう事。
本、別になくたって、読書しなくても、生きていけるんです。
本を読まなきゃ立派?な人になれない。そんな訳がないんです。
それに、本って高いでしょ?古本ならいざ知らず、新刊のハードカバーなんて2000円近くする。
放浪書房の旅の食費(キャンプ、野宿編)だと3日分相当!
ひーー!!
無くたって死にはしない。
でもね、本がある。好きな本がある。本と向き合える時間がある。本に向き合いたいと思える自分でいる。それって、どれだけ贅沢な事なんでしょうか。
「おやつ」だからね!
学校から帰ってきて、
「お腹すいた〜!何かない?」
「戸棚におやつ入ってるわよ☆」と、
「夕飯まで、我慢しぃや!」(何故、関西弁?)
では幸せ度が違います!
遠足でも、おやつの準備が楽しさのクライマックスとちびまる子ちゃんでも言っています!!
いかんいかん、また脱線してしまった、、、
Aさん、僕自身は怪しい限りの本屋ですが、周りには書店にお勤めの方、古書店を経営されてる方、編集や製本に関わっている方、ただただひたすらに本を愛している方。沢山の本の側に寄り添う方々とお会いして、お話をして、一緒にイベントをしたりします。
出版不況や、本が売れないとか世間は当たり前のように僕らの業界を「斜陽産業」のように言われたりもしますし、事実、皆結構弱音も吐きます(笑)
でも、なんかね、皆、眼が死んでないんです!(笑)
死を目前にした石田三成が柿は痰の毒と言ったように!(笑)
今にみとけ、、、本の底力なめんなぁ、、、的な(笑)
ああ、また脱線したぞ、、、
Aさんの手紙は、こうも続きます。
“教育という意味で世間一般に読書を促進している傾向はありますので、わたしも海外駐在中に、幼稚園にて読書指導をしていたこともあります。
そのおりに閉口したことは、「子ども達にいい本のリストアップをしてほしい」と幼稚園の先生から、果ては園児の保護者からも云われたことでした。
本というのはそういうふうに選ぶものなんでしょうか?
一冊一冊違うのでは?
出会いが大切なのでは?
そして、そういう人に限って、本を読んでいない。
渋々リストは作成しましたが「必ず渡そうと思った本をお読みになってから子どもに渡して下さいね」とつけ加えられずにはいられませんでした。
せめて自分が感動した本を渡してほしい。
本好きのエゴだと充分に承知しておりますが云わずにはいられなかった。
書いていても時々思うことがあります。
創作とは、本とは言葉とはなんなのだろうかと”
本って何だろう?
僕もしょっちゅう考える。
本が一冊も売れなかったり、知らない街を雨の80キロの本が満載したカートをトボトボ押してる時とか。
重いし、嵩張るし、高いし、目で文字を追わなきゃいけない。
水にも弱いし、お日様にも!(お前の店だけだ!)ハードル高いよな、、、
情報や知識ならネットやTVからいくらでも無料で、手に入るし、場所も取らない。画像や音声データなら「ながら」にして頭に入るし。
と、書いた所で、その反対が全部本の魅力なんだなって気がつくんです。
本は、情報であり、思想や、書き手の人生や思いであり、それでいて、モノとしての存在感と、歴史や風格さえある。
ハードルを乗り越えても、本と向き合い、何かを得ようとする意思と、時間。
うん!なんか、イイですよ。
本って。
そして、読書って。
Aさん、あなたは本に真摯に向き合い愛してこられた人なんでしょうね。
そして、本を取り巻く環境に失望しながらも、信じて希望を見出したいと思っている。
Aさん、そして本を提供して下さった皆さん。
どうか、
「旅する本屋 放浪書房」にあまり期待はしないで下さい。
本を取り巻く環境を放浪書房が変えるなんてとてもじゃないけど無理。でも、何かをして行かなきゃいけない。して行きたい。
無理のない範囲で、楽しく。自由に。
だから、信じて下さい。
そして、見ていて下さい。
「お、ちょっと面白そうだぞ!」と思ったら、力を貸して下さい。
今週末、皆さんから預かった「一生の一冊」と共に
福島県須賀川に行ってきます。
どんな旅になるか、
どんな出会いが待ってるか楽しみ!
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