追伸、あの日の君に
「あの、放浪書房さんですか?」
土曜日の放浪書房の外市。
甘夏さんを見送り、すっかり陽も落ち暗くなった店前。
照明の明かりを頼りに撤収作業をしていると、男の子が声をかけて来ました。
「僕、本屋になりたいんです!!
どうしたらなれますか?」
正直、ビックリ!
かなりの戸惑いを隠しつつ、外は寒いので彼をガレージセールの店内に案内して撤収作業を済ませます。
さて、どうしたもんだろ…
聞けば、彼は大学を卒業して現在はフリーターで、本屋になりたいという。今日はわざわざ江戸川から来てくれたとの事。
「どんな本屋になりたいの?」
「どんなジャンルが好きなのかな?」
「自己啓発系の本が好きです!篠崎の『読書のすすめ』が好きです!」
「本屋になりたくて、ネットで調べていたら放浪書房さんを知ったんです」
いやはや、聞けば聞く程参ってしまったのです。
本屋と言っても、本当に色んな形態があります。
大型の新刊書店、商店街にあるような文房具屋兼本屋、ブックオフのような大型新古書店、色んなジャンルを扱うセレクトショップもあれば、ブックカフェ、ネット書店もある。
彼がどんな形態の本屋をやりたいのか、僕にはわかりませんし、話してみた印象では、きっと彼自身も分からなかったんではないんでしょうか。
上に書いた業態が思いつく限りの「本屋の正道」であるなら、放浪書房は「邪道」、「変化球」。
そんなのを教えちゃっていいのかなぁってのが正直な気持ち。
前にも書いたかもしれませんが、
放浪書房は始めに「旅」ありき。
旅先で稼いで、「エンドレスに旅を続けられたら」という思いがあって、そこに大好きな「旅の本」が結びついたら、こうなった。みたいな。
ね、参考にならないんです。
「旅をしながら、旅の本を売り歩きたい」ってなら話は別ですが。
それに、ちょいと厳しいかもしれませんが、質問する方にもそれなりの覚悟と礼儀がいるとも思えたんです。
ある程度、自分なりに勉強してみて、情報を集め、自分はこんな本屋をやりたい!その為にあなたから”これ”について学びたい。
そういう下準備も無しに、漠然とどうしたら本屋になれるか?という質問を受けても答えようがないんです。
そんな彼に、要約するとこう伝えました。
「いわゆる、『本屋』となると、自分には分からないけど『本を売る』という行為なら誰にでも出来る。1番の近道はネット書店だろうし、都内でも定期的に素人でも参加出来る古本市もあるし、
なんなら、来週末神保町で自分が主催するフリーマーケットで店が出せるから、参加してみないか?」
と。
先ずは自分のやりたい仕事の現状やら仕組みを調べて、自分はどうしたいか方向性を決めて手探りで色々やってみるといいんです。
その上で、放浪書房が参考になるようなら、僕が知りうる限りの情報や経験、幾らでも提供するよ☆
「こうじゃなきゃ駄目!」なんて絶対にないんだから、色んな本屋のカタチがあるべきです。
連絡待ってます。
旅する本屋 放浪書房店主とみー
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