放浪書房、本日オープン!
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「どうぞ、手に取ってご覧になってみてくださいね」
満面の笑顔でそう言った後はたいてい目を反らして離れてしまう。
それもそうか。だって本屋さんに入って接客される事なんてないもんね。
京都の天気は快晴。若干風はあるものの穏やかな絶好のお出かけ日和。僕ならこんな日は近くの公園にお気に入りの本を持って遊びに行くんだけどなぁ。ていうのは虫の良すぎる話しみたい。
二条通りと烏丸通りの交差するここ烏丸御池は、平日の昼間はスーツに身を包んだビジネスマンやOLが行き交うオフィス街。
昼時にもなると街路樹と地下鉄烏丸御池の出口の周りには弁当屋が並ぶ。
一昨日、半日京都を歩きまわり旅する本屋の店を開く場所を調査した結果、ここ烏丸御池の交差点に決めた。何個か候補地もあったのだ。先ずは京都の路上販売のメッカ、四条河原町の高島屋前。ここは人通りが凄まじく、昼間はアクセサリー売りに手製の葉書売り、看板持ちにチラシ配りと大賑わい。夜は夜で、将来のアーティストを目指すストリートミュージシャン達のライヴ会場になる。次に多いのが、祗園と京都一の繁華街四条河原町を結ぶ四条大橋のたもと。ここにも手書きの葉書売り、 相田みつを風の書道家、「貴方の目を見て、インスピレーションで言葉と文字を書く」という。他にも「犬の里親探してます」と書かれたチラシ、看板、現代の悲惨なペット事情を憂いたような記事と檻に入れられた仔犬を使って何事かを行うホームレス風のおっさん。暫く見ていたが、ボランティアではなさそうだ
し、どうやって稼ぐんだろう?募金かな。だとしたらカンボジア辺りで地雷被害を訴え物乞いするのと似た匂いがする。あれって、中には稼ぎを狙って子供の四肢を親が切り落とす場合もあるという。うーん。こちらの場合はどうだろう?興味が募るところ。その他には占い師、打楽器のアーティスト、アクセサリーの販売、似顔絵描きと多種多様。違和感なく店を開けそうだし夜も明るく、夜まで人通りが絶えない。その中で、烏丸御池を選んだのにはそれなりの理由があるのだ。
1、近所からの苦情が出にくい。これは河原町でシャープペンスケッチを売るおっさんに聞いたのだが、京都では観光客相手の土産物屋さんが多く、道も狭い為に下手な所で路上をすると近所の店や民家から苦情がくるらしい。そこ行くとここはビ
ジネス街で地下鉄入口側の街路樹。街の住人サラリーマンにとっては言うなれば、人の庭。本を売ろうが弁当売ろうが痛くも痒くないという訳。因みに弁当屋のおばちゃんは一度も注意受けた事がないという。
2、木陰で本が売れる。 これはかなり重要。日焼けを嫌う本を販売している為、直射日光を避けれる木陰は最適。涼しいし突然の雨にも少しは安心。何より木陰に座って本を読むのって素敵じゃない?
3、トイレ、雨宿り出来る場所が近くにある。
4、勿論、人の往来が多い。
それを全てクリアしたこの場所を選んだのだ。
さてと、何から始める?店の看板が先?いや、商品を並べなきゃ。あ、その前にシートひかないと。あれ、何処に入れたんだっけ? それよりも、当店のイメージキャラクターのスナフキン膨らませて、アイキャッチにしたほうがいいんじゃないか?
てんやわんやとバタバタ開店準備。気付けば昼の1時近い。あーランチタイムの客が逃げるぅー。次々売れていく隣の弁当屋を尻目に、道いく人の奇異の目の中なんとかオープン。
お釣りの小銭用意してないのに気付くのは大分経ってからだった。

17:36 | 店主 | 出店    


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