2006.5.9
完売御礼!
2
「すいません、この本、全部買ってもいいですか」?
沢木耕太郎の「深夜特急」
この本で旅に目覚めた人。
人生を狂わされちゃった人(笑)
結構いるのでは?
勿論!当店でも扱っています。
昨日書いた、フーテンすってんてんが裏の顔なら、
「深夜特急」は表の顔。
放浪書房の常連で友達のトモ君に言わせると、
旅の本しかないって書いてあって、深夜特急も置いてないんかい!
て話。僕も同感です。
初めての野宿旅に選んだのは四国。
テントの傍らには旅の移動手段だった、籠付きのママチャリ。
取扱い説明書を見ながら、やっと建てた安売りのテントには大粒の雨がぶつかってました。
徳島は日和佐海岸。台風の為、足止めをくった二日間。
テントから出れず、する事もなく、ぼーっと天井を見上げていっこうに進まない時計のデジタル表示にいらついてました。
あ、そうだ。
本読もう。
旅の前夜、何気なく入った本屋に平積みされた文庫の中から手にした一冊。
最近、ドラマ化されたのは知ってました。見てないけど。
漫画以外の本なんて、国語の時間でしか読んだ事がなく、ほんの時間潰し。
初めての経験でした。
活字の一つ一つが絵になり、音になり、匂いになっていくんです。臨場感。
気が付くと僕は今だ行った事のないアジアの街をバックパックを背負い旅していました。
無我夢中で読みふけり、日が落ちたテントの中で、 僕はゆっくり本を閉じました。
ヘッドランブ持ってたけど、読み終わってしまうのが勿体なくて。
そんな風に思ったのもその時が初めてでした。
初めての旅の本。
この本に出会わなければ今の僕も放浪書房も存在しなかった。
10年経った今でもページを開く度に僕を旅に誘います。
そんな愛着と思い入れたっぷりですから、事あるごとにオススメしているのですが、これが全く売れないんです。
えっ?なんでかって?
理由は簡単。
皆さん持ってらっしゃるんです。
旅人のバイブルですもん。
でも今日ね、全6巻セット で売れました!
ずっと読みたくて、
これも何かの縁なんで。と29歳のお兄さん。
有り難うございます。
今日もまた人と本との思わぬ出会いがありました。そんな場面に立ち会えると嬉しくてしかたがないです。
放浪書房やってほんとに良かったと思います。