チャルメラ
6
バイトからの帰り道。
横浜からは片道2時間。
座りっぱなしで脚が化石化した時はバスに乗らずに駅からトコトコ歩くようにしています。
夜風が優しくて、ぽっかり浮かんだお月さんから降る明かりで自分の影が長く伸びるのが面白い。
そういや、ピッコロ大魔王(魔ジュニア)に消されたはずなのにいつの間にか復活している。
宇宙の神秘だ☆
学研のおばちゃんもビックリ☆
それにしても、お腹空いたなぁ。今晩のオカズなんだろ?
そんなこと思いながら歩いていると
懐かしい音が聞こえてきました。
ピ〜ラリ〜ラリ〜♪
ピラリラリラ〜〜♪
ん?
気のせい?φ(.. )
ピラリラリラ〜♪♪
気のせいじゃない!チャルメラだぁ!!
夜鳴きラーメン!!(>_<)
滅多に聞かないし、屋台のラーメンなんて数える程しか食べた事ないのに、
何故か懐かしくて郷愁をさそうメロディー。
瞬時にしてラーメンモードに突入した僕は速攻で家に帰り、自転車に跨がりチャルメラのメロディーが聞こえる方向に走り出しました。
向こうだ!o(><)o
ラーメン屋さ〜ん!待ってぇ〜!!(ノ><)ノ
やばい!心なしかメロディーが遠ざかってる気がする!(¨;)
新しく出来たマンションの前の駐車場
あれ?いない!!(-.-;)
この辺りから聞こえてきたはず・・・
じゃあ!運動公園
いない!(。。;)
なら!ここだろ!?(>_<)
中央公園前のバス通り
いねぇ〜!!( ̄▽ ̄;)
何処だ!?何処いった!?
落ち着け・・・深呼吸・・・
目を閉じて感覚と全神経を耳に集中させるんだ・・・(-_-)
ラーメン屋さんのキモチになるんだ。
人が多くて、車(屋台?)を停められて調理に専念出来る場所。
近くに水場も必要。
道路使用許可取っていないのなら交番に近い西のバス通りには向かわないはず・・・
あ、微かにメロディーが聞こえてくる方向は・・・
分かった!!(#^.^#)
小学校前のバス通り沿いの団地駐車場!!
立ち漕ぎで猛ダッシュ!!
居た!居た!居た!!
思った通り、ラーメンと書かれた赤い提灯を付けた白い軽のンボックスから、湯気が出ています。                           
開け放たれた後ろの荷台から覗くとおじさんがネギを刻んでいます。                             こんばんは!                              こんばんは☆いらっしゃい☆                                   夜鳴きラーメンなんて、なんとも懐かしいですね☆                         そうかい?この辺りを廻るのは久しぶりだからね☆                         メニューはと・・・それらしき物は見当たらず。                          おじさん、一杯いくら?                         600円☆醤油、塩、
味噌、豚骨。どれにする?☆                          じゃあ、醤油で!                            屋台や露店の食べ物に高い安いいうのは「粋」じゃありません!!      たとえ、用意された丼が発泡スチロールのミニサイズでも・・・                               側の団地からは僕同様にチャルメラのメロディーに誘われて家族単位で、なんともワラワラと出てきます。
なんかこんな光景どっかで見た気がします。
何だっけ?(-.-;)
あ、思い出した!!
「ハーメルンの笛吹」
鼠退治の笛吹が笛の音を使って子供達を連れていっちゃう話。
子供心に怖かったのを思い出しました。
あれってヨーロッパで起きた実際の出来事らしいです。
集まった皆は恐る恐る・・じゃなかった。
興味津々、トラックの廻りを取り囲みます。
ん?
なんかこんな光景どっかで見た気がします・・・
何だっけ?
あ!!
ジョージ・A・ロメロ監督「ゾンビ」★★★★★
ウキャー★( ̄▽ ̄;)
ゾンビの大群に取り囲まれて中の人間が食い殺される・・・・
CG全盛の映画に見慣れても、すんごく怖かった気がします。
あれって、アメリカで実際に起きた事件を元に・・・
な訳ねぇ〜!!(>_<)
なんて自分にツッコミを入れます。
若いお母さんと二人の子供のやりとりが面白くて。
おじさん、こっち豚骨ラーメン三つね☆
ねーお母さん☆屋台のラーメンって美味しいんだってよ☆
そうね☆きっと美味しいよ☆楽しみだね〜。
お母さん、「幸楽園」より美味しいかな!?
(アハハハ!そこと比較か!(^^:;))
あははは☆どうたろうね?おじさんに聞いてごらん?☆
(えーっ!?そこ聞いちゃうの!?本人に!?( ̄▽ ̄;)
あー坊や、旨いぞ!!
そうだなぁ〜「幸楽園」の「三倍」旨いぞ!!
(えーっ!?基準何!?(;´・`)控え目なのか、大きく出たのか、それともそういうジョークなのかさっぱりわかんねぇ〜!!(>_<)
まぁ、とにもかくにも
僕の住む町は
のどかで、愛すべき人達が暮らしているみたいです。
なんか嬉しいな☆
ラーメンなんてさ、
特に珍しくもないのにさ☆一杯のラーメンが出来上がるのをさ、
あ、メンマ入れてる!わ、ネギ!やったぜ!チャーシュー☆
なんてね、
皆で固唾をのんで見守るんだよ?
なんかイイでしょ☆(゜▽゜)
ハイ!!お兄さんおまちどうさま!!醤油ラーメンね!!
いやっほーい☆(#^.^#)
あ、イイ匂い☆
この場でズルズル食したいとこだけど、こんなにギャラリーに囲まれちゃっては消化に悪そうなんで少し離れたガードレールに腰かけて早速いただきます!!(#^.^#)
食後、久しぶりに夜の団地を自転車でブラブラしました。
10数年振りの少年時代の遊び場は何だか、スケールダウンした?みたい。
僕が大きくなったんだね。
幼稚園、よく買い食いした商店街、上から唾垂らして遊んだ陸橋、ミニ四駆を走らせた側溝、拾ったエロ本隠していた病院横の秘密基地、空ビン裏からかっぱらってはお金に変えていた酒屋さん・・・
今まで忘れていた想い出の数々、どうでもいいような事ばっかり想い出します。
懐かしいなぁ☆
何だか、喉が渇いてきました。
ラーメンが思いのほか味濃かったせいでしょうか。
久しぶりに団地横の水道の水を飲みます。
思いきって子供の頃のように蛇口を上に向けて直に口つけて飲んでみました。
カルキの匂いと鉄の味。
懐かしいなぁ☆
いつもの夜に
お馴染みのメロディーと共にやってきた「夜鳴きラーメン」は
味の素のタップリ効いたラーメンと
少年時代の懐かしい想い出達を運んで来ました。
え?
ラーメンの味はどうだったかって?
屋台や露店の食べ物は味よりも「雰囲気」☆味をどうのこうの言うのは野暮ってもんです☆
そう思いません?
まぁ、月に一度くらいは少年時代にタイムスリップするのも悪くないかもしれません。

0:28 | 店主 |